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新 忙しすぎるあなたへ(脱力系)

だらだらと思いついたまま書き留めていく日記です(^。^;) 肩の力を抜いて読んでください

第7回目です・・・

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サザエさんが好きな方

ホラーが苦手な方にはお勧めできません><





タラちゃんが交通事故で亡くなり、一年が経っていた。

今だに姉さんはショックから立ち直れないでいる。

だけど傍から見れば以前となんら変わりのない元気な姉に見えるだろう。

それは、姉さんの中では全てが以前のままだからだ。

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次の日、何もかも元通りになったかのようだった。
母さんと姉さんはいつも通り二人で並んで朝食の支度をしていたし、笑い声も響いていた。

ただ、そこにはもう縫いぐるみはなかった。

ワカメは昨日の出来事がショックだったのか口数が少なかったが、
明るく笑う姉さんを眺める視線に暗いものはなく、
学校に行く時間にはいつもの彼女に戻っていた。

縫いぐるみをタラちゃんと呼んでいた姉さんは以前と変わらないようでいて、
やはりどこか異様だった。
だけど今朝の姉さんは昨日までの姉さんとは雰囲気が違っている。

きっと姉さんもタラちゃんを失ったショックから立ち直り、
現実を受け入れられるようになったのだ、僕はそう思っていた。

カツオ「ただいまー」

学校は何事もなく終わり、僕は家に帰って来た。
台所では姉さんが昨日のハンバーグで使った残りであろうひき肉をこねていた。
母さんは買い物にでもいったのか、ワカメはまだ帰っていないのか、二人とも姿が見えなかった。

僕は別段気にも止めずに、駆け足で部屋へと向かう。
中嶋たちが野球をするためにいつもの公園で待っているのだ。
昨日の姉さんに噛まれた傷口も、巻かれた包帯こそ痛々しいが、痛みはすっかり引いていた。

僕は早く出掛けたいために、はやる気持ちを抑え切れずに机の上にランドセルを放り投げた。

衝撃でランドセルの中身が散らばるが、気にしてはいられない。

カツオ「いってきまーす!」

靴を履く時間ももどかしく、僕は公園へと走りだした。
だけどしばらく走った後、バットとグローブを忘れて来たことに気がつき、
僕は元来た道を引き返すことになった。

カツオ「お、ワカメも帰ってきたのか」

入れ違いになったのだろう、僕が玄関に戻るとワカメの靴が揃えて置かれていた。

カツオ「……姉さんはどうしたんだろう」

さっきは台所にいたはずの姉さんがいない。

だけど早く野球に行きたい僕は特に気にも止めずに自分の部屋へと急いだ。

カツオ「あれ」

てっきり部屋にはワカメがいるものだと思っていた僕は、だれもいないことに拍子抜けしてしまった。
姉さんの部屋にでもいったのか。

カツオ「姉さんの……部屋」

僕は昨日の出来事を思い出し、少しだけ顔をしかめた。
何故だか胸騒ぎがする。

だけど机の上にぶちまけられたかばんの中身に目をやると、
そちらに気を取られて勘違いのような不安なんて吹き飛んでしまった。

カツオ「これは……」

カツオ「まずいまずい、テストの答案がまる見えだ」

今日返された限りなくゼロに近い数字がかかれた紙切れを僕は慌てて拾いあげる。
こんなものが姉さんに見られたら大目玉だ。
その答案用紙も含め、散らばった荷物をそのままかばんに詰め直し、
僕は目的のバットとグローブに手を伸ばす。

その時、廊下の方から物音が聞こえた。

ズル……ズル……と何かを引きずるような音。
そして言葉までは聞き取れないが、何かをぶつぶつと呟くような声。

カツオ「姉さん……?」

僕は何故かその音の正体を確かめることが出来なかった。
襖を開け、廊下に出てしまうのは簡単なのに、どうしても足が進んでくれない。

カツオ「こっちに来てる……?」

その場に動けないでいるうちに、姉さんの声は確実に近づいてきているのがわかる。

昨日姉さんの部屋の前で感じた、警告音のような嫌な感覚が全身に広がる。

姉さんはいったい何をしているのか確かめたい。
この場から逃げ出してしまいたい。
確かめなくては。
逃げなくては。

二つの感情が僕の頭の中で渦巻いて結論が出ない。

逃げようと思えば窓からでも逃げられるのだし、確かめるのには廊下に出てしまえばいいのだ。
だけど僕はそのどちらも選ばず、部屋の中に留まることにした。

押し入れの中に身を隠し、息を潜める。
姉さんがこの部屋に入るとは限らないが、
もしもの場合にいきなり鉢合わせてしまう事態を避けるためだ。

押し入れに入ってしまうと謎の音も姉さんの声も聞こえない。

押し入れの襖の模様に紛れるように空けた小さな穴から外を伺う。
そこにはただの日常が広がっていた。
なんの変哲もない僕とワカメの部屋だ。

ただ布団に圧迫されるように押し入れに隠れている僕が息苦しい思いをしているだけだ。






しばらくそうしていたが、姉さんが入って来るわけでもワカメが入って来るわけでもなく、
時間だけが過ぎた。

先程僕が感じた危機感のようなものなんて、とうの昔に薄れて消え去って、
なんだか隠れているのが馬鹿馬鹿しく思えてきた。
もうやめよう、気のせいだったのだ。

だって今朝の姉さんはあんなに明るくて、笑顔だった。
口うるさくてお節介な僕の姉さん、ただそれだけなのに、
僕はなんで隠れていなければならないのか。

カツオ「……出よう」

そう思い押し入れを開けようと手を掛けた瞬間、廊下と僕の部屋を繋ぐ襖が開かれた。

続く・・・
テーマ:ひとりごと - ジャンル:日記

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